良く頂くメールにこういった内容のものがあります。

  「どのようなデジタルカメラで撮影されたのですか？」
  「銀塩写真に比べてデジカメの方が画質が良いのではないのですか？」

残念ながら皆さんの期待を裏切っているようですが、私のお答えは全て”No”です。
QandAのページでも書いていますが、デジカメの性能アップは素晴らしいものがあり
web上で使用する画像と言うレベルに限ってみれば、既に同等と言えるはずです。
現実に、プレス（報道）の世界では既に従来型のカメラが駆逐されつつあります。
撮影現場から通信回線で編集場所のデスクトップ上に瞬時に画像が届く優位性は
デジカメでなければ決して実現しません。報道という世界では一分一秒を争うため
現像、スキャニング、レタッチ等々のプロセスを踏む余裕はありません。
また、グラビアを飾る写真を創り出すスタジオ撮影の現場からも、デジカメによって撮
影された素晴らしい作品を世に送り出しています。しかしながらこういった世界で使用
されているデジタルカメラは、街の電気店やパソコンショップで手に入る類のカメラで
はありません。数百万円という価格もさる事ながら（Nikonから五十数万円のものが最
近発売されたようですが）、CCDもフルサイズであり画像ファイルは簡単にMB級にな
ってしまいます。スタジオなどでは、背後にGBクラスのメモリーを積んだMacが控えて
いて撮影されたデータを高速に吸い上げるシステムなのです。

デジカメでイメージされるもの。。。”230万画素最高画質”とか、著名なxxxxxレンズを
使用といったキャッチで次々と新製品が発売されていますが、これらのカメラでは、決
して前述の世界の画像は手に入りません。

で、おまえの写真はどうなんだって事なんですが。。。私のような腕無し、機材貧弱の
環境でさえも、銀塩写真はまだ優位性を保って居られそうです。
尤も、スキャニングしてみると画面で見るこの72dpiのレベルでも優劣が判明する訳で
アナログの世界は腕の無さを見事に暴いてしまう怖さも持ち合わせているのですね。
だからこそ、ファインダー越しに出会う感動を切り取る喜びが生まれてくるのではない
でしょうか。「写真」を撮る喜びって言うのは、ここにあると私は思っています。

こうして撮影されたアナログ写真のコマは、スキャナーで処理されデジタル画像として
皆さんに見ていただく事が出来る。。。時代は、デジタル、アナログ二者択一のレベル
をはるかに越えています。