内側のNとSは回転子に巻きつけてあるコイル(電磁石)で、外側のNとSはモーターケースに取り付けてある永久磁石です

円弧は力を発生している時間を表します

緑矢印から緑矢印:回転が遅い時
赤矢印から緑矢印:回転が速い時

 コミュテータ(回転子の電極部分)にブラシが接触し、回転子に巻きつけてあるコイルに電流が流れることによってモータは回転します。コイルに電流を流すと磁力を発生する(これが電磁石)ので、モーターケース側に取り付けてある永久磁石のN極またはS極と影響しあい、同じ極性が向き合った時は反発し、違う極性が向き合った時は引き合います。このくり返しによってモータは回転するのです。(左の図)

 回転子のスピードが遅いうちは、ほぼ180度のあいだ回転する力を発生することができます。しかし回転子のスピードが速くなると、コイルに電流が流れてから力が発生するまでの間に回転子のほうが(惰性で)先に進んでしまうので、力を発生できる時間が短くなってしまいます。(右の図)

 これを解決するために、ブラシがコミュテータに当たり始めるのを早くしてやります。これを進角をつけるといいます。(当たり始める角度を進めるんですね) するとコイルに電流が流れて力が発生したころに永久磁石の部分にさしかかるようになるわけです。これにより高速回転時に、長いあいだ回転力を発生することができるようになります。

 つまりモータを高回転型にセッティングする時に、進角をつけるわけです。エンドベルをモータの回転方向に回して調整します。アクセルを全開にしている時間が長いコースの時に試してみましょう。欠点としては消費電流が増えることです。レースの時にはバッテリーの管理が重要となります。

[1999.3月]