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2001年4月26日(木)

◆というわけで、思いのほか早く地下に潜ることとなる。ところが、25日のアクセスが過去最高の550。そしてこの日も、軽くそれをクリアして600乗せ。一体、何がどうなっておるのだ?洋服屋やディスカウンターが「店仕舞セール」「閉店大バーゲン」と銘打ちたくなる理由がよーーーく判りましたとも。はい。とりあえず、この日記は、復活した時に備えて書きとめておく。本のコメントは、短評のみの記述にしーよおっと。
「わややわ・みすぷり・まがじん」は世界最高のミスプリの電動です、ぶううーーーーーーーーーん(>ちーがーうー)

◆昼休みに会社の傍の古本屋を覗く。「あっそうか、もう無理矢理買わなくていいんだ」と思い直す。そうなんだよなあ、どう考えても、日記を書き始めてから買書量増えちゃったもんなあ。稲川淳二調「楽しんでいただけましたでしょうか?」買いなのである。ギャラリー受けを狙ってしまうのである。ストラングル成田さんは「わが闘争」と喩えてくれたけど、実は「(買わない)自由からの逃走」だったのかもね。
◆とかなんとかいいながら、南行徳定点観測。安物買い。
「涙流れるままに(上・下)」島田荘司(光文社カッパNV)計200円
「御手洗清パロディ・サイト事件(上・下)」島田荘司他(講談社:帯)計200円
ううむ、やっぱり売れ線作家の本は、早く買ったら負けよ、負け。どうせ1、2年積読にするなら、後からリサイクル系で買ったほうが心やすらかである。これならば、たとえ積読にしておいても心が痛む事がない。そして本は積読になっていくのである。あれれ?
因みにこの本、どちらも上巻のみ初版なのである。この本を売った人って、上巻を読み終わってから下巻をおもむろに買いにいってたのだろうか?謎〜。

◆「宇宙生物ゾーン」井上雅彦編(廣済堂文庫)読了
廣済堂文庫の異形コレクションとしては最終巻である第15巻。一体あの文芸撤退騒ぎはなんだったのであろうか?「ぶたぶた」もあっさり徳間に文庫落ちしているし、全くこの出版社は、自分が育てた叢書や作家をなんだと思っているのだろう?閑話休題、ホラーが基調の異形コレクションの中で、のっけから「SFでござい」というテーマはこれが初めてかな?その分、SF好きとしては、とっつきやすい、と云うか「外れがない」というのが読後の率直な感想。新人に混じって巨匠たちが思い思いのBEMを楽しげに操っているのがなんとも楽しい作品集。尤も一番心に染みたのが「バルンガの日」というオマージュ作だったりするのは、やはり「怪獣」と「恐怖」の原体験を円谷の映像にもつ30〜50代日本人に共通する感想なんでしょうね。それにしても五代ゆうは只者ではない。

(今月入手した本:140冊、今月処分した本:129冊、今年の増減+479冊)


2001年4月27日(木)

◆のんびりとした朝。メールにレスなどをつけ、余裕を持って出かける。電車でも座れる。ああ、更新さえなければこんなに時間があったんだなあ。
◆昼休みに、新刊買い。
「ミステリマガジン2001年6月号」(早川書房)
「SFマガジン2001年6月号」(早川書房)
「ミステリ・オペラ」山田正紀(早川書房:帯)2300円
早川書房さん、表彰状下さい。「たいへんよくかいました(はなまる)」。ミスマガは、400番台の暗黒記を彷彿とさせるスリック・マガジンな特集。つまんなさそうである。まあ、時々こういう実験的な号があった方がJ・D・カー特集号の光輝が引き立つというものか。どうせ「買う人間は買う」と思っているんだろう?けっ。そのとーりだよ!!同じくミスマガの山田正紀インタビュー。中味はともかく、書影は元版を載せればいいのにね。


◆「死刑台へどうぞ」飛鳥高(ポケット文春)読了
飛鳥高は、社会派推理全盛という時代に呑みこまれた不運な本格推理作家である。あと十年早いか、あと二十年遅ければ、もっと人気が出て、とてもサラリーマンなんてやっている場合ではなくなったかも。で、この書も、後書きで現実逃避としての推理小説観を披瀝しながら、時代の頚木に囚われた<社会派>の域を出るものではない。社会派推理作家を目指すアプレな青年を軸にした人間模様を描いた「メタ社会派推理小説」というとても珍しい小説である。土壇場まで「逆転」の興味を引っ張るところは巧みであり、題名とのリンクも評価点。つくづく惜しい作家だねえ。

(今月入手した本:143冊、今月処分した本:129冊、今年の増減+482冊)


2001年4月28日(土)

◆イベント準備の最終打ち合わせなど。メールに丁寧にレスを書けるのが嬉しい。大矢博子女史に送本。
◆高輪のアウトバックでしこたま肉を食う。徹底したアメリカンスタイルが偉い。酒を飲まなきゃ実に納得のお値段とボリュームである。サラダとかポテトを残してしまったのがくやしいぞお。
◆それでも古本屋に寄る奴。まあ、朝から余り歩いていなかったので運動がてらという意味もある。ダブリ本は御法度という縛りを掛けていたのでなおさら買うものはない。
「赤い報酬」Hアダムス(創元推理文庫)100円
「大いなる遺産(上・下)」Cディケンズ(新潮文庫)各100円
「ピピネラ」松尾由美(講談社:帯)100円
今更ながらの新潮ディケンズ。買ってなかったりするのであった。さ、次は「二都物語」が揃いで百均に並んでないかなあ。


◆「ムーンライトシンドローム」東野司(扶桑社)
とある高校生殿からメールが突然来て「譲ってくれ!」といわれた作品。4年前の本であるが既に絶版品切れなんだそうな。なるほど私が買ったのもリサイクル系のゾッキだったもんなあ。かなり失敬なメールだったので、断りのメールを出したのだが、どれほどの小説なのかが気になって斜め読みする。まあ、普通のサイキックバトル小説である。敵の造形で、ちょっと「サクラ大戦」を彷彿としてしまった。それにしても装丁が凄い本である。というか「<頁数>の級数」が凄いというか。

(今月入手した本:147冊、今月処分した本:129冊、今年の増減+486冊)


2001年4月29日(日)

◆丸々1日書庫とビデオの整理。単にポケミスを順番通り並べるという作業になぜ斯くも時間がかかるのか?まあ、一度やっておけば後は楽になるのだが、それにしても前に積んだ本の移動だけで振り回されるとは。とほほ。
一件、ショックな出来事。なんと、所持している飛鳥高の「ガラスの檻」がラスト欠けであった事が判明。思わず絶句。一体何頁欠けているのだろうか?日下仙人にでも、聞いてみようかな?うーん、これはダブり本を喜国さんに廻した事もある本なのになあ。うがあうがあ。読んでない本ってこういう事があるからなあ。
◆ビデオは30本を整理。5時間弱かかる。今週のモースを取り損ねていたのが痛恨。NHKの馬鹿野郎。とりあえず、HEROは完全録画できていた模様につき一安心。へらへらになった挙句、鉄甲機ミカヅキの<序夜>を視聴。おおお、面白い!!これは同世代が熱狂していたのもむべなるかな。黒白さんみたくDVDの予約に走るほどではないが、これは萌えるよ、実際。でも、6話のうち飛び飛びに3話分しか録画できてないんだよなあ。さあ、レンタル落ちを待つか?
◆さすがに、読了本なし。やあ、気楽気楽。


(今月入手した本:147冊、今月処分した本:129冊、今年の増減+486冊)


2001年4月30日(月)

◆朝からビューティトワレの取り付けに挑戦。うひいい、2時間もかかってしまった。AV機器の接続ならば、それなりに自信もあるのだが、水まわりの白物家電の中でも設備系に近いビューティートワレとなると未体験ゾーン。分岐水栓を取りつけるのに1時間を費やしてしまったが、まあ、これはこれで楽しい「非日常体験」ではあった。後は古本以外の「お買い物」で半日吹っ飛ぶ。よく歩きました。もう勘弁してください。
◆銀河通信からのリンクでオープンしたての山之口洋氏のサイトを覗きに行く。プロフィールを拝見すると、既に会社(某関西家電大手)の方は退職されていた模様。ううむ、やはり会社勤めと小説家稼業というのは両立しないものなのか?ともあれ、一度しかない人生、悔いのないように送って欲しい。一時は同じ釜の飯を食った者として精々応援しよう。
◆昨日とは逆の嬉しい発見。まあ、紙屑系なんだけどね。トイレの友に持って入った宝石増刊(昭和28年10月)をパラパラめくっていると、最終ページに何やら挟み込みがあるではないか。「何かしらん?」と思って取り出すと、春陽堂の日本探偵小説全集の内容見本チラシであった。うほっ。これって、以前、喜国さんから「夜明けの舗道」を廻してもらった際のこちら側のトレード要員ではないかいな!うわあ、もしかしてそれとしらずダブっていたわけね。参った参った。こうなると他の本も全部捲ってみたくなるなあ。うひひひひ。でも、捲り甲斐ありすぎかも。なにせ300冊は買った時のまま中をみていないものですから(>ヲイ!)
◆ビューティートワレの取り付け説明書を穴の開くほど熟読した以外には本日も読了本はなし。くそお。

(今月入手した本:147冊、今月処分した本:129冊、今年の増減+486冊)


2001年5月1日(火)

◆思い立って扉の鍵を丸ごと取り替えてみる。最近うちの近所でもピッキングとやらが流行っている模様。まあ、持って行けるもんなら持って行ってみろ!というウエイトの割りにパフォーマンスの悪い「一財産」なので、安心といえば安心なのだが。うちから高値本ばかり抜いて行く泥棒がいたら、犯人の範囲は極めて限られたものになるだろうなあ。
◆昨日WOWOWでエアチェックした「スターウォーズ・エピソード1/ファントム・メナス」を視聴。SFXの固まりなのだが、なんとも懐かしい画面造りである。巨大生物との水中チェイス、ドロイドのしゃくしゃくした動き、ポッド・レースのスピード感、ライトセーバーの剣劇、巨大戦艦周辺でのドッグファイト等などどこかで見た事のある情景が小気味良く繰り出され、2時間がアッという間に過ぎる。敵も味方も小粒で、こじんまり纏まりすぎの感は免れないが、まあ、大きすぎる期待によく応えた、と褒めておきましょう。共和国議会での討議シーンがなかなか新味を出していて吉。ここだけでも大画面で見たかったかな。
◆固定資産税を払い込み。ああ、高い。ブックオフなら千冊の本が買えるぞ。本って買うよりも置き場所を確保するのが大変なんだよねえ。しみじみ。なにせ連休の谷間なので、金融機関の窓口は何処も大混雑。結局30分近く待たされる。んで、自分に御褒美というか「ちょっと本でも買ってなやっとれまへんなあ」状態に陥り、一駅分定点観測。依然ダブリを押える努力を払い、何度もキャッチ&リリースを繰り返した挙句買ったのは以下の2冊ぽっきり。
「喜びの訪れ〜CSルイス自叙伝」CSルイス(冨山房百科文庫)100円
「ちょっとミステリー」サトウ・トシオ(批評社:帯)100円
CSルイス自伝なんて本が翻訳出版されていたとは知らなんだ。こういうエンタテイメント以外にホームグラウンドを持っている人は、どうしてもチェックが甘くなる。
◆夕刻、中学・高校・大学と同窓だった人間と10年ぶりぐらいに出会い、居酒屋でミステリ談義に花を咲かせる。実は、我々は中学・高校時代に「推理小説同好会」を結成して、土曜の昼は犯人当て、平日の放課後は古本狩りに精を出していたのであった。映画マニアでもあった彼は大学では自主製作系の研究会に、私は漫画倶楽部にそれぞれ入部してそれぞれに人生を誤った。なにせ、当時はうちの大学にミステリ研がなかったのである。とほほ。もしミステリ研があれば、もっと立派に人生を誤れたものを。中途半端なんだよなあ。閑話休題。なんでも、友人は拙サイトがオープンしたての頃からROMって頂いていたようで、こちらからは「えー、近況ならびに、最近買った本、読んだ本の感想はご存知の通りです」と述べるのみ(笑)。一方的に手の内がバれているってえのもなんだよなあ。とまれ、英国本格好みの友人と国書や、ポケミスの話題で盛り上がりっぱなし。あとは、小学3年生になる息子を本好きにしようと何度か試みるが、ウルトラマンとピカチュウにかなわない話とか。こちらは今でこそオフ会で慣れっこになっているが、職場を含め周りに同好の士がいない彼にとっては、至福のミステリ漬けタイムであった模様。興が乗ったので、散らかり放題の拙宅に誘拐して、あれこれと蔵書をひけらかした挙句に、ダブリ本を12,3冊押し付ける。ふっふっふ、ちょっと減ったぞ。いやあ、また遊びましょう。

(今月入手した本:2冊、今月処分した本:12冊、今年の増減+476冊)


2001年5月2日(水)

◆うわあ、二日酔である。
◆大金を振り込んだり、あれこれと届けを出したり、慌ただしい1日。それでも古本屋に行く奴。あほじゃ、あほ。
1軒目はブックオフ。
「アメリカがソ連に占領された(上下)」BEパウンズ(ダイナミックセラーズ)各100円
「人食い鬼のお楽しみ」Dぺナック(白水社:帯)100円
架空戦記っぽい作品は、米ABCが社運を賭けて製作した「アメリカ」というテレビドラマ・シリーズのノベライゼーション。原題は「AMERIKA」で「K」がロシア文字(反転文字)になっているとか。架空戦記はパスだが、ノベライズとなると話しは別なので押える。2軒目では百円均一棚から3冊拾う。
d「赤いリスの秘密」EクイーンJr(早川Jr文庫)100円
d「ありえざる伝説」Wゴールディング他(早川FT文庫:帯)100円
「続・風雲女大名」宮下幻一郎(桃源社:帯)100円
ゴールディングの帯が奮っている。なんと「ノーベル文学賞!」ときたもんだ。確かに早川文庫の中では極めてレアな話でしょうなあ。はっきり言ってこの帯欲しさのダブリ買いである。いかんいかん。宮下幻一郎の時代小説は、貸本上がりなのだが、綺麗に時代を潜り抜けてきたという印象の本で、昭和31年出版がウソのようなカバーと帯である。帯の「有力新聞数紙連載」という煽りが泣かせるではないか。どなたか欲しい方、いらしゃいませんかあ?よしださんあたり集めてなかったっけか?入手価格でお譲り可能。
3軒目。リサイクル系。
「つねならぬ話」星新一(新潮文庫)150円
あ、そうそう、これ買いそびれていたんだよねえ。日下さん編集の「気まぐれスターダスト」の作品リストで、増補されている事を知って「買わねば」と思っていたのだが、何故か、あまり古本屋で見かける事の少ない本であった。うーむ、今日ここまでで最高額の買い物かあ。しみじみ。
2軒飛ばして6軒目。同じくリサイクル系。
「モナコGP作戦」ラリー・ケニヨン(立風書房)100円
「ルマンへの挑戦」ラリー・ケニヨン(立風書房)100円
ううむ、出ていた事も知らなんだ。ドン・マイルズなるレーサーを主人公にしたエスピオナージュ。なんちゅうか、膳所善造氏のストライクゾーンですな。なかなか嬉しい拾い物。これぐらいあれば1日の収獲としてはお釣がくる。でも、実はとんでもない大物が一匹掛かっていたのだ。その「血風本」とは5軒目で拾った、これ。

d「女郎ぐも」Pクエンティン(創元推理文庫)1000円

おおおおおおお、やってしもたあああ。この本は生まれて初めてダブりました。
拾ったのは結構高い値付けをする店で、講談社文庫の「戌神は何を見たか」(帯なし)なんぞに1500円をつけていたりするのだが、クエンティンの「追跡者」(初版)とかに混じってこの本が並んでいたので、「ほほう、五桁でも付けているのかな?」と冷やかし半分に取り出し、値を見て唖然。こ、これは「絶版」と知らず<初版>のみの値打ちでつけた価格である。古本者の礼儀として、この値段をスルーするわけにはいかない。速攻で「買い」である。あああ、幸せだ。あああ、病気だ。
最近金欠気味なので8000円なら即決でお譲りしますぜ(悪徳商人!)>ALL
お申し込みは、まず掲示板へ。
◆エア・チェックしてあったJカーペンターの近作「ヴァンパイア:最期の聖戦」を視聴。現代的なヴァンパイア・スレイヤーたちと600年間闇に君臨してきた始祖にして最強の吸血鬼との闘いを描いたB級作品。所謂ドラキュラ伯爵ではなくて、異端審問の手違いで闇の力を得た元神父という敵首魁の設定に新味がある。また、清く正しいヴァンパイア・スレイヤーを期待していると見事に裏切られる。とにかく徹頭徹尾お下品。ゴロツキの「害虫駆除集団」という印象である。ストーリーにはそれなりの謎とツイストもあるが、約束事を自分で持ち込んでいるのでさしたる驚きはない。役者は知らない連中ばかりで低予算ぶりが窺い知れる。一昔前なら主役は文句なしにカート・ラッセルだったんだろうなあ。

(今月入手した本:12冊、今月処分した本:12冊、今年の増減+486冊)