瑣末の研究16

濃い人、少し濃い人

MYSCONの企画で、濃い人・薄い人判断のスクリーニング・テストが 作られている。
これが、バランスよく練られていて、なるほどかなりの精度で
濃淡の判断ができそう
である。

そこで、刺激を受けた「猟奇の鉄人」でも、問題を作ってみた。
一応「少し濃い」というこの頁のコンセプトに合わせたレベルである。

「下村明の著作を5つ以上あげなさい」


「角川文庫の獄門島に異装は幾つあるでしょう」


というようなご無体はない筈である。

お閑な方は、トライして頂きたい。以下の10問である。

仲間はずれを選びなさい

1)オウム・カラス・カナリア・アヒル

2)鍍金男・道化殺人事件・村の殺人鬼・イーノックアーデンの死

3)ワシントン・パリ・ストックホルム・マドリード

4)意識の下の映像・アリバイのダイヤル・第三の終章・指輪の爪あと

5)嵐が丘・そして誰もいなくなった・ガラスの仮面・風と共に去りぬ

6)夜の闇の中へ・樹のごときもの歩く・悪霊の群・エイプリルロビン殺人事件

7)事件記者・鉄道公安官・ブルース・センチメンタル

8)カーテン・スタイルズ荘の怪事件・ゴルフ場殺人事件・邪悪の家

9)姑獲鳥・黙示録・虎・ぼくとぼくら

10)幻の女・野獣死すべし・非常階段・鉄鼠の檻

解答は30行後。





























解答例
1)カラス:すべてガードナーの著作に使われた鳥であるが、「偽証するオウム」
「びっこのカナリア」「溺れるアヒル」はメイスンもの、「カラスは数をかぞえない」
だけが、クール&ラムもの(AAフェア名義)である。

2)イーノックアーデンの死:すべて「幻のポケミス遠刊予告」に書かれた
仮題名である。「鍍金男」は「メッキの神像」、「道化殺人事件」は「パンチと
ジュディ」、「村の殺人鬼」は「わらう後家」、そして「イーノックアーデン
の死」は「満潮に乗って」。つまりこれだけクリスティなのである。

3)ストックホルム:まあこれは色々な解答が成立すると思うが、用意したのは
夫々の国をあげると「アメリカ」「フランス」「スウェーデン」「スペイン」で
あり、クイーンの国名シリーズになりそこねた「スウエーデン」が仲間はずれ
なんですよ、お父さん、Q.E.D.

4)第三の終章:総て刑事コロンボである。他の3作の犯人はロバート・カルプ
で、これだけジャック・キャシディ。ちなみに、ジャック・キャシディは「構想
の死角」「魔術師の幻想」でも犯人を務めており、この二人は3作で並んでいる
のだ。

5)嵐が丘:他の3作にはそれぞれ「そして誰もいなくなった殺人事件」
「ガラスの仮面殺人事件」「風とともに去りぬ殺人事件」という作品がある。

6)悪霊の群:総て合作だが、これだけ生前合作。

7)鉄道公安官:ほかの言葉はシカゴにゆかりがある。「シカゴの事件記者」
「シカゴ・ブルース」「センチメンタル・シカゴ」

8)カーテン:すべてクリステイのポアロ長篇で、しかもヘイスティングス
登場作だが、「カーテン」以外は<田村隆一訳><テレビ化されている>
<ポケミスに入っている>などの共通特性がある。

9)虎:後は「夏」とつながる。「姑獲鳥の夏」「サマー・アポカリプス」
「ぼくとぼくらの夏」。虎と夏を使った題名は知らない。ここで想定したのは
「虎の冬」(井上淳)である。

10)鉄鼠の檻:他の3作は同じ題名の小説が2人以上の作家で存在する。
「幻の女」(Wアイリッシュ・横溝正史、五木寛之でもありましたっけ?)
「野獣死すべし」(Nブレイク・大藪春彦)
「非常階段」(日影丈吉・梶山季之)

10問正解者は、以下にお名前を掲げて表彰に替えたいので、自己申告願いたい。

以上

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