宇宙
瑣末の研究7
合作させてみたい作家

「合作させてみたい」というアプローチではなかなか思いつきません。
そもそも、もともとのチーム作家は別として、通常個人営業やってる者同士
の合作やリレー作というのは、ごく稀れな例外を除いてさほど面白いものでは
ないというのがこれまでの私の読書経験からの率直な感想であります。
で、この命題に対応するために補助線一本引っ張って「共演させてみたい
名探偵」というアプローチで考えてみました。

パターン1「ドーヴァ11/背教」

八百年前シェルーズベリ修道院でおこった未解決の毒殺事件を、食中毒で
入院するはめになったドーヴァ一警部が病床で推理する。
警部は例によってくっつきそうなカップルをかたっぱしから疑ってかかるが、
最後に非論理的に毒に最も詳しいカドフエルなる修道士が犯人であることを
指摘する。
マグレガー刑事はその毒を使っても食中毒程度にしかならなかったドーヴァー
の乞食腹を呪う。
(故E・ビーターズ&故J・ポーター)

パターン2「五爪の龍1/2の暗黒」

吉敷刑事は五爪の龍が描かれた花瓶を凶器に用いた華僑骨董商殺しの鍵を
握る謎の女を追い神戸に飛ぶ。時まさに平成7年1月、運令の夜明けとともに
女はホテルの3重密室と震災地という巨大な密室から姿を消す。
女が再び現れたのは台湾、それも死体となって・・
 (ここまで150ページ)
骨董商の父と同郷であった陶展文は自宅の修復もそこそこに、老骨に鞭打って
台湾に事件の謎を探る。二人の探索が交差するところ、日本の戦時暗黒史が
ひもとかれ、2つに裂かれた中国の悲劇が蘇る。
 (このくだりに1500ページ)
裁かれるべきは、人か、国家か、民族か?
(島田荘司&陳舜臣)

ぱた−ん参「木枯しに砂絵は舞った」

思いがけなく当たった富籤で湯治場に出かけたなめくじ長足の面々。
ひょんなことから行き倒れの渡世人の面倒をみることとなる。
衆人環視の覗き部屋から飯盛り女郎が消え失せた時、宿場を木枯しが
駆け抜け、七色の砂が舞い上がる。
(都筑道夫&笹沢佐保)

あと、合作といえるのかどうかは分かりませんが、山田風太郎の原作をもっと
ガンガン石川賢に漫画化して欲しいですね。「魔界転生」1作で終わるには
余りにも惜しいベストカップルだと思うのですが。風太郎忍法帖の奇想を単に
絵に置換えるだけでなく(それだけでも凄いことではありますが)そこへ自ら
のスパイスをぶち込み血と体液にまみれた内臓感覚叙事詩に仕立てあげられる
漫画家を私は石川賢をおいて他に知りません。角川でも徳間でもええから
やってくれへんかな?
また最近アメコミ・マニアの話題を呼んでいるA・ヴァクスのパットマン同様
のミスマッチ路線では、例えば西村寿行の月光仮面とか、勝目梓の多羅尾伴内
とかちょっと読んでみたくありません?女性登場人物全員汝辱!
それから今テーマの趣旨からは外れますが「お願いだから、ライス&パーマー
のマローン&ウィザース物を単行本化してくれい!」数少ない合作の成功例が
雑誌に訳しっぱなしだけでは勿体ないと感じるのは私だけでしょうか?
 最後に、恐いもの見たさの合作案を一発.

リスト外「黒豹ノストラダムス伝説」

1999年7月、遂に天から恐怖の魔王が降りてくる。その正体は数百年の
時空を超古代文明の科学により地えてきたノストラダムスその人。
彼は自らの予言を実現するために全ての国家・人類を焼き払わんとする。
誰か、地球を救えるものはいないのか?
そうだ、あの男、黒木豹介がいる!
拳銃片手の黙示録戦士、落とせ核弾頭ミサイル、破れ超科学、
倒せ恐怖の大魔王!
今、特命武装検事が立ち上がる!
「と学会」激賞の話題作、
世紀末に向け祥伝社より、緊急出版!
(門田泰明&五島勉)

(初出SRマンスリー:一部修正)


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