「邪馬壹国の陰謀」高木彬光(文華新書323)
◆発行所:日本文華社、印刷:昭和53年4月30日
◆副題: 特別書き下ろし 問題作:最大の謎を論争から解明・決定版

紹介文:

「一挙に38万部を売りつくしたベストセラー「邪馬台国の秘密」に対し、
「邪馬壹国の論理」の中で、著者、古田武彦氏は一方的偏見で独断的
主張を
展開した。この問題に敢然と反撃を加えたのが本書である。
著者は、
創作意図、当時をとりまく諸事情の経緯、この最大の謎を
解くまでの
真摯熱情的な分析と行動までも明らかにした。じつに論争をこえた興味 ぶかい話題をよぶ書となろう。」



さて、記念すべき奇書紹介の第1号として本作を取り上げてみました。
まずは、皆さんこんな本の存在をご存知だったでしょうか?
正直なところ、私は2年ほど前に偶然100円均一棚で入手するまで全く
存在
を知りませんでした。「なんやねん、これ?」であります。
で、パラパラと眼を通すと、これは邪馬台国研究家の古田武彦との盗用問題 をめぐる顛末記のような んですね。3部構成で、その大部分が第1部「邪馬壹 国の非論理」に当てられており、この部分が元々 は私家版の冊子だった由であります。

で、この本の何が面白いかというと、

<高木彬光先生、マジ切れの罵倒芸>

これです。

殊に各章に添えられた言葉たるや、正視に耐えないものがございます。
<イロハの壱の字を知ってても、論理のロの字もわからないハレンチきわまりない偽学者>
<野放図もなくつけ上がり 遅ればせなる書き直し山師インチキエセ学徒>
<露店の目薬売りの口上よろしく><低脳の証明><味方の人さえもてあます>

いやもうHMMの笠井論文が可愛く思える罵倒振りに、ただ見とれるばかりであります。
よくこの本が商業誌として発売されたものだと感心する事しきりです。
見つかる時は、100円で見つかるこの本。皆様も是非一度手にとってご確認ください。

ではでは。

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