言いたい放題・日美の映画評論〜映画タイトルや行〜 |
悪事を重ね、人を殺すことを何とも思わない二人にしては、誘拐するまでが敏腕とは決して言えないし、どこかしこ間が抜けた雰囲気が漂っている。それにも関わらず最後まで引きつけられてしまう。
この映画、私は何故かアメリカ映画と言うより、イギリス映画のような味わいが感じられてならない。緊張感の中にほのぼのとしたものが漂っている、不可思議な映像である。
誘拐した相手の裏の顔、そこのどろどろした野望、人間関係が物語を彩り、おもしろくしている。上手く表現できないが、緊張感や恐怖やスリルがなくても充分魅せられる作品というのもすごいと思う。どこかとぼけたユーモアを感じさせる、味のある作品だ。
第二次世界大戦の最中、ドイツが誇る高性能潜水艦「Uボート」の前に、連合軍はかなりの苦戦を強いられていた。
この上は、「エニグマ」と呼ばれる暗号を解読する以外、ドイツに打ち勝つ術はないと判断する。
連合軍「S-33」の副艦長のアンドリュー・タイラーは実力がありながら、優しすぎて決断力に欠けているところがあった。洞察力の鋭い艦長マイク・ダルグレンはアンドリューを艦長に推薦することを踏みとどまる。
実力がありながら、認められないアンドリューは仲間の面白半分の中傷に心を痛めていた。
ちょうどそんな折、「U-571」が故障し、海上に停泊していることを知った連合軍は、旧式の「S-33」で味方の振りをして近づき、奇襲攻撃を加え、船ごと占領してしまったのち、「エニグマ」を奪う作戦に出る。
アンドリューは艦長マイクと共に船に乗り込む。しかし、「U-571」の占領に成功したものの、艦長は海に投げ出されたまま命を落としてしまう。
こうなった以上、アンドリューは最も危険な事態で艦長として指揮を執り、作戦を練って危機からの脱出を計るしかない。しかし、「U-571」を占領したことが察知される前に、任務を遂行しなければならない…。
常に生死の危険にさらされながら、瞬時の機転を効かして、副艦長が真の艦長として成長していく姿は、なかなか感動的である。ただ、潜水艦ものの映画を幾つも観ている人にとっては作戦内容などはお決まりのパターンに思えるかもしれない。
とはいえ、爆弾が海中深く潜った潜水艦をめがけて投下されていくシーンは、緊張感に満ちていて、映画館では真横から投下の際の音が響いてくる臨場感あふれる音響効果がふんだんに使われていた。
海底の中での撮影が多く、しかも旧式の潜水艦なので、画面は全体的に暗い。
しかし、スリルを味わううちにぐいぐいと映像へ引き込んでいくあたりはさすがである。キャストも全て男性ながら、女性でも生死の境にある男同士の絆や犠牲になった人たちへの思いに胸を打たれるのではないかと思う。
あまり有名ではないキャストが並んでいるが、演技力は確かだった。
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