言いたい放題・日美の映画評論〜映画タイトルた行〜


Taxi2

 ちらりとテレビで観ただけだが、以外にぼーっと通して観てしまった。
 前作「Taxi」が全く印象に残らない単なるカーチェイス映画だったのに比べれば、一応ストーリーはそれなりに練られており、前作よりは遥かにましに思えた。
 ただ、この映画、日本でだけ売れたそうで、今回は必死に日本人の受けを狙ってるのが露骨過ぎて、何だかこんな映画でも派手な宣伝に騙されて踊らされて観てしまう日本人がバカにされているような気にもなる…。
 まあ、劇場までわざわざ足を運んだりビデオをわざわざ借りるほどの映画ではないのではないだろうか、テレビ用の暇つぶしで充分かなという気がする。


天使のくれた時間

 ニコラス・ケイジとティア・レオーニのファンタジーラブロマンスは最近観た映画の中で一番のお勧め。


デンジャラス・ビューティー

 サンドラ・ブロックの演技が光っていた。コメディ・タッチだが、全然身なりを構わず男顔負けのアクションを見せていたFBI捜査官が素敵な装い、立ち居振る舞いを身につけてレディに変貌していく辺り、「マイ・フェア・レディ」や「プリティ・ウーマン」を髣髴とさせる。
 女性にはかなり受けの良い映画ではないだろうか。ラストのハッピーエンドといい、映画は元来、娯楽であり、楽しく観ることが出来る物が一番、という原点に立ち戻らせてくれるような作品である。


トゥームレイダー

 ゲームソフトに疎い私は初めて知ったのだが、「トゥームレイダー」とは世界各地の宝物を探し求めるゲームソフトらしい。そのゲームソフトに比較的忠実に描いたストーリーになっているそうだ。
 この物語、「フィフス・エレメント」と「ハムナプトラ」と「チャーリーズエンジェル」のようなアクション物をミックスさせたような雰囲気で、アンジェリーナ・ジョリーのアクションは本格的。
 丁度先行オールナイトで上映された「スパイダーマン」を見た後、本作はビデオレンタルで観たのだが、寧ろこちらのアクションの方が数段上を行くのではないかと思わせた。
 ただ、圧倒的な強さなので、ハラハラドキドキというよりは安心してアクションの美しさを楽しめる感じで、そこが、好みの分かれる所かもしれない。
 私は安心して観られる方が良いので、スピード感とダイナミックさが溢れるアクションとファンタジックな謎かけに限りなく5に近い評価をつけたい。
 アンジェリーナ自体は下唇が厚く、美人にはほど遠いが、勝ち気で不敵な振る舞いがなかなか様になっていて、スマートな洗練された雰囲気を醸しだし、まさにはまり役だった。


トゥルー・クライム

【内   容】

 まだ未成年と知らず、社長の娘と関係を結んだことがばれて、ニューヨークの新聞社から地方へとばされたスティーブは、私生活のだらしなさはともかくとして、記者としての腕は確かだった。
 ある夜、スティーブから浮気の誘いをかけられ、その場をうまく切り抜けた女性記者が事故死した。スティーブはその女性記者が担当していた事件記事を担当することになる。
 その記事とは、コンビニの女性店員を殺害した罪により死刑が執行されようとしているビーチャムへのインタビュー記事だった。
 しかし、有力な証拠とされた二人の白人の告白が曖昧なものであることに気付いたスティーブは、ビチャムの無実を信じる。
 死刑囚への被害者を始め大衆の怒りが頂点に達して、もはや状況証拠が万全に揃っている中、スティーブの目指す記事内容はあまりに無謀すぎた。
 調査するにつれ、信じた己の勘は確信へと発展していくが、死刑執行まで10数時間しか残されていない。彼は自らの家庭を犠牲にしてまで証拠探しに全力をあげて奔走する−。

【寸   評】

 家族愛、上司との葛藤などを織り交ぜながら、一旦歪められてしまった真実を正していくことの困難さを巧みに描き出していた。
 無実の罪を被せられた死刑囚の心の叫びがひしひしと伝わってきた。
 若干、前半のスティーブの女たらしぶりは、余計な飾り付けに映らなくもないが、前半40分を過ぎた辺りからは事件の核心に近づき、緊張感を与えることに成功している。
 無実を信じる死刑囚の妻のやるせない怒り、一人で娘を育てる事への将来の不安、孤独などが刻々と最後の時間に近づく時間の流れとともにリアリティのある緊迫感を生み出していた。
 勿論この手の結末は予測通りに行かないと逆に説得力がなくなるので、そういった意味からは安心して観られるはずだが、全体を通して、特に後半は飽きさせずに観せてくれた。


トゥルーマン・ショー

 マスクのはちゃめちゃお笑い路線の印象が強かったジム・キャリーだが、そこは押さえて、素朴でお人好しな好青年をコミカルに演じている。 人のプライバシーを暴き、人生までを動かしてしまうメディアの恐ろしさも感じるが、ジムのキャラクターからしてもその辺りを深く考える映画ではないだろう。いつ主人公が操作されていることに気付くだろう、という点に興味が湧き、次の展開に吸い寄せられた。サスペンスフルでもないのに、これだけ飽きさせないのはすごい。
 終盤は本当の自分の人生を掴む為映画製作者の仕掛けた様々な困難に立ち向かうジム。それを応援する観客の心情には自然に同化することが出来る。しかし、30数年間も巨大な組織のどっきりカメラに騙され続けたようなものなのに、あんなにあっさり制作側を許してしまえるのだろうか?(そこが爽快な締めくくりでいいのだろう)


トラフィック

 3つのストーリーをドキュメンタリー・タッチでカラー、モノトーン、赤みを帯びた色で使い分け、場面を頻繁に切り替え、微妙に絡ませていく辺りはサスガ、実力ある監督のなせるワザだろう。
 「ユージュアル・サスペクツ」の影響を受けたのかもしれない。
 いつもミステリに見慣れている私は、最後に実は誰かが麻薬組織のワルに絡んでいた、というオチがあるのかと想いながら見ていたが、これは真剣に実問題を深く掘り下げて描いている、オスカー向きの真面目な作品だ。
 それでいながら、場面の切り替えや第三者的な描写を取り入れることで、内容の重たさを和らげることに成功している。麻薬なんて実際の生活には遠い世界に思えるが、昨今の信じられない少年犯罪等、アメリカの後を追いかける日本が、これから先、どんな危険な国にならないとも限らない。
 そう考えると、真剣に捉えるべき未来の問題ではないだろうか。日本の救いはピストル所持を認めないことくらいかもしれない。
 マイケル・ダグラス扮する父ロバートの親ばかな側面とドラッグに溺れた娘キャロラインの積み木くずしを思わせる反抗ぶりはチープな印象を免れないが、家族愛を前面に押し出す上では分かりやすい設定だろう。
 あれだけ泥沼にはまった麻薬から安易に立ち直れるハズはないので、麻薬の恐ろしさを根底から示すには安直すぎるハッピーエンドではあるが、これも麻薬撲滅に向けて将来の希望・期待を示唆する意味で最後は重くならないようにしめくくったのではないかと私は見ている。正直この評価は難しかったが、好き嫌い分かれる所だろう。
 この種の真面目路線で派手な盛り上がり(アクション等)があるわけでもないのに、カメラ割り、脚本などの技術でじっくり魅せていることから4をつけた。




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