言いたい放題・日美の映画評論〜映画タイトルま行〜 |
【内 容】
ついにゾロの正体を見破った総督ラファエルは、デラ・ベガの家にやって来て、その妻を殺害、まだ赤ん坊の娘エレナをさらっていく。デラ・ベガは牢獄に入れられるが、長い年月の末脱走する。
一方、以前民衆たちを救ったゾロに手助けした子供たち兄弟は立派に成人していたが、名の知れた盗賊になっていた。ある時二人に懸けられた賞金を手に入れようとしたラブ隊長に追い詰められ、逃げ遅れた兄が射殺される。
一人残された弟のアレハンドロは酒浸りになってしまう。ゾロに貰ったペンダントを兄から譲り受けていたが、それすら酒代に変えようとする。しかしそれが丁度通りがかった脱獄したばかりのデラ・ベガの目に留まる。
ラファエルへの復讐を胸に抱いていたゾロであるデラ・ベガは、アレハンドロにも兄の復讐を誓わせる。そして秘密の隠れ家で二代目ゾロになるべく過酷な訓練を与える。
美しく成長したエレナは、ゾロとなったアレハンドロに恋をする。実父であるデラ・ベガに懐かしいものを感じたエレナがその真実を知る時、それは二人のゾロたちの復讐が始まる瞬間だった…。
【寸 評】
単純明快なストーリー展開で、正義が勝つという清々しさは娯楽作品として、十分満足のいく仕上がりである。剣術や、カンフーを思い起こさせるスマートなアクション・シーンもあり、なかなかの見応えだった。
凄みと落ち着きの備わった初代ゾロを演じたアンソニ・ホプキンスは抜群の存在感だった。
又、アントニオ・バンデラスも新米ゾロの成長ぶり、若々しさ、笑いをとるドジな面など、巧妙に演じており、ベテランゾロとのバランスも絶妙だ。「エントラップメント」でもセクシーな演技を披露しているキャサリンは、輝くばかりの美貌で、スクリーンに大輪の花を咲かせていた。
何も考えずに気持ちをすかっとさせたい時、ストレス解消にはぴったりのお伽噺のような映画である。
【内 容】
イーサン・ハントはまたもや休暇中に指令を受ける。今回の指令は「盗まれた“キメラ”を女泥棒ナイアと組んで取り戻せ」
ナイアを探し当てたハントは接触を計るが、盗みの現場において邪魔をされたナイアは車で追いかけるハントにカーチェイスを挑む。危うく転倒しそうになったその場で二人に恋の炎が燃え上がった。
キメラとは研究者が故意に作り出した新たな病原菌で、同時にセットでその特効薬も開発されていた。それをまずはシドニーでまき散らせ、疫病を流行らせれば、特効薬が飛ぶように売れるという最も憎むべき恐ろしい計画が推し進められていたのだ。
ナイアは元々その計画を企てている男の恋人だったが、彼から逃げ出していた。いわば今回の指令は彼女を囮に、その主犯格の男を阻止せよというものだった。
ナイアを心底愛したハントにとって、その男の元へ戻すことは耐え難い屈辱であり、又彼女の身の危険を思うといても立ってもいられない心境だった。
やがて彼等のアジトに忍び込み病原菌を破壊しようとするが、間一髪で見つかり激しい銃撃戦が繰り広げられる。その中でナイアはハントを救うため、自らの腕に最後に残った病原菌を注射する。
主犯格の男は命令する。「彼女を捕らえ、シドニーのど真ん中に残し、人々に感染させるのだ」
ナイアの居所を突き止めること、特効薬のサンプルを手に入れること、ハントは即行動を開始した。「必ず君を救う、死なせやしない」−固く心に誓ったハント。制限時間は20時間。最後の闘いが幕を上げる−。
【寸 評】
内容的には単純明快なストーリーだが、最後まで興味深く観ることが出来た。彼の一挙手一投足が絵になっているし、彼のファンなら大満足できるのではないか(私は特別にファンというわけではない)。
しかしながら、後半に来て派手な銃撃戦と静寂の中に突如鳩の羽音が響き渡るシーンと、そして随所に散りばめられたお得意のスローモーション…。どれをとってもこの、「フェイス/オフ」を筆頭に使い古された撮影法はあまりにも二番煎じで、ジョン・ウー監督のお決まりの手法にただただ才能の限界を感じてしまった。
この所、名監督とやたら組みたがっている感のあるトム・クルーズだが、今回は彼がそこまでして組むほどのことのない監督だと思う。
音楽は、昔の「スパイ大作戦」が重厚なサウンドに生まれ変わり、哀調を帯びた挿入曲も含め、全体的に迫力ある仕上がりになっていた。
映画を一口で評するならアイドル映画になかなか迫力あるアクションが加味されたと言うところか。
但しあえてアイドル映画という表現をしたが、甘いマスクのトム・クルーズは何をやってもアイドル映画(女性ファンが黄色い声で叫ぶ)になってしまうという星の下(もと)に生まれている(大げさな)のだからやむを得ないと思う。
あまりに整った正統派ハンサムのトム・クルーズはその整いすぎた甘いマスク故に損をしていると私は常々思う。演技で勝負してもそちらの方に観衆の対象が向かいにくいからだ。
つまり「トップガン」や「カクテル」などはそういった意味で特にアイドル映画に位置すると私は思っている。
だが、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の悲哀と残酷に満ちたヴァンパイア役、「ザ・エージェント」の理想を追い求めがむしゃらに一つの仕事を成功させていくサクセス・ドラマなど選ぶテーマによっては間違いなく彼の演技力をアピールすることに成功している。
彼には本来なら、このような知的で冷徹と言われるほどクールな、あるいは正義に満ちた情熱的な中にも知性を感じる役柄が似合っていると思う。
今回もスパイの概念は孤独で人に気を許さず、まさか一目惚れの恋になど落ちようはずもないのだが、全くスパイらしさはなかった。前半特に恋愛要素が強すぎたきらいがある。次回はもっとスパイらしいスパイを演じたトム・クルーズを是非観てみたい気がする。
ただ、予想以上にアクションで健闘を見せていたし、新しい部分を追及していくトム・クルーズの精神には脱帽させられる。180度変身すると従来のファンからそっぽを向かれかねないので、ファンの期待を裏切らない程度に従来の顔も覗かせていたのだろう。
いろいろと常々思ってきた「トム・クルーズ」という俳優自身に個人的な思いを述べてきたが、通常第二弾は第一弾よりおもしろくなくなることが多いのに、前回の「ミッション:インポッシブル」よりも十分楽しめる内容にパワーアップしている(と私は感じた)ことはトムの意欲の現れだと評価したい。
「Dairy Wind〜Himi's essay&diary〜」のコーナーでちょうどこの映画についての感想を書いたので、そちらをお読みいただけると嬉しいです。→感想を読む
アニメを劇場で観たのは何と小学校低学年以来のこと。私は何となく女性一人で映画館に入るのは苦手なので、一緒に映画にいく相手とやはり共通した趣味のものを選ぶことになってしまう。
決してアニメがイヤと言うわけでもないのだが、わざわざ劇場でお金を払うほどのこともないというのが周りに多い意見なので、本当に今回は久々、相棒が映画サイトの評価に踊らされて珍しく行こうと言い張ったのだ。
だが、私もどんな撮影技術を用いても人間が演じるほどのリアル感は出せないと思っている。可愛いね、かわいそうだね、と言った様々な喜怒哀楽がどうしても客観的になってしまうのだ。そういった意味でどうしても評価は低くなってしまう。それは人それぞれだろうと思う。
アニメならではの思いきりファンタジックな物語を自由自在に画像で表現できる利点は素晴らしいと思うし、私も自分のオリジナルの発想を脚本にしてアニメ化してもらえたらなあ等という大きな夢を持っていたりする。
その意味でアニメもいろいろ観て勉強しなければとは思っている。
今回のストーリー、着眼点はお見事。「どこでもドア」的発想と大人の映画でお決まりの黒幕のオチなど、子供向けにしては大人も一緒に楽しむことの出来る内容に仕上がっている。
また、モンスターの毛が風に一本一本なびくところなどとてもリアルでCGを駆使したアニメの進化を感じさせる。
ただ、立体的になると逆に人間の子供の顔はグロテスク寸前で一歩間違えれば悪趣味な顔になりかねない描き方で、ちっとも可愛いと思えなかった。
アニメはアニメらしく、人間は目がきらきらの少女漫画で私はいいと思う。「エースをねらえ!」のお蝶夫人や「ベルばら」や「ガラスの仮面」の姫川亜弓「悪魔の花嫁」の美奈子等本当に美人だなあと惚れ惚れしてしまう。
それに比べて男性用の少年何たら、という雑誌の絵って本当に夢がない。主人に言わせると男性用の漫画家の方が絵が上手いと言う評価だから、男性の視点と女性の視点の違いってこんなにも大きいのだろうか?(だが、今回の女の子のグロテスクな絵を家に帰って見せると主人も同意見だった)
人間の子を除いてはおもしろいモンスター達が勢揃いして、視覚的にも充分楽しめた。ふと、社長のモンスターは「ハムナプトラ2」の蠍男(ザ・ロックが演じた)を拝借したのかなあと思ってしまった。
ただ、サリーが人間の女の子を匿うことに躍起となって結果的に相棒のマイクまで巻き込んでアラスカに放り投げられるのに、それに対して申し訳ないという気持ちがあまりに希薄すぎるのが気になった。
親友なら手伝ってくれ、という押しつけがましさ、逆に親友なら人間の女の子よりもマイクをまず第一に思ってあげるべきで、ちょっと自分勝手ではないかと思えた。
そして最悪なのは最後のNG集、人間の女の子までお芝居してました、というオチは子供の夢を見事にうち砕く。
小さい子などは意味が分からないのではないだろうか。折角のドラマの余韻をぶちこわし、現実に戻してしまうことに気付かないのだろうか?
おそらく制作側は映画の内容を真剣に観に来ている人たちへのアンコールで洒落たアイデアだと自惚れ勘違いしているのだろうが、自己満足に過ぎず、大人にとっても意味のないジョークはハートフルな物語の余韻をうち消す雑音にしかならない。
個人的な趣味を言えば、奇をてらわず正当法で描いている古典的なファンタジーの名作が好きである。それも美しい女性が出てくる「アラジン」や「美女と野獣」の方が評価は数段上になるだろう。
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