Offroading

私はオフロードへ行くのが好きであり、趣味でもあります。とは言っても、本当の不整地ではなく、林道です。 そこでここでは、林道へ行くための心構えなんぞを(ちょっと偉そうですが)、書いてみました。参考になれば幸いです。

1.林道へ行くための心構え
2.雪の林道へ行くための心構え
3.林道走行記


林道へ行くための心構え

 林道とはいっても道であることには変わりはないが、最近のドライバーは未舗装路を走る機会がかなり少ないので、ダート自体に不慣れな人が多い。ここ何回か林道ツアーを開催してきたことをもとに心構えといっては大げさであるが書いてみることにした。
 これはあくまでも私の私的意見のため、すべてにおいて正しいとは言わないが、参考になれば幸いである。

1.自己責任
林道の定義云々はやめておくが、要するに、林業用等の作業道に入り込むわけで、当然、路面整備・付帯設備・案内板設置等はされて無いのが基本である。林道の入り口にある標識には、一般車進入禁止を前提に道路管理者側が「事故等起きても一切責任を負わない」旨が明記されている。
これが私たち林道通行者が一般的によく言う「自己責任で走行」と言う言葉の真意である。
当然どこかの林道走行会に参加したとしても、その企画者は連れて行くだけであり、走行途中で車に傷が付いたり落石に当たったり、最悪は車を壊したり事故が起きてしまっても、企画者は責任は負わないし、負えない。(連れて行った者としての道義的責任はあるかもしれないが)
こういった危険もあることを承知した上で、自分の責任において走行していただきたい。

2.状況判断
林道は自然のままに近い道であり、そこを行く以上は自然との戦いとなるので、すべて自分で判断することが必要になる。
天候・路面状況・規制看板の情報・ルート判断・路面予測などたくさんあり、どれも重要である。
ツーリングに行く我々は地元民ではないため、走行地域の細かい気候や地質・状況・特異事情は知らないし、その場所の土地勘も無いに等しいので、これらの情報をできるだけ収集し、逐次読みとって判断しながら走らねばならない。

1)天候
・ツアー前1週間から当日までの現地の天候
 現地入り前に長雨や台風などといった状況があると、林道では崖崩れ・路面崩壊・川の増水・湧水・落石・倒木等の可能性がある。
・天候の急変
 林道自体が山の中であることが多いため、天候に左右されやすい。また、濃霧やもやがかかると走行することも困難になる。
2)路面状況
・落石
 落石は落ちているものにも注意は必要だが、のり面に残っている石にも必要である。落石箇所を見て確認しつつ通過する必要がある。
・路肩崩落・路面ひび割れ
 崩落箇所は通過できるかどうか車を降りて実際に見て、道幅と車両重量を考慮して通行するかどうかを決定する。
・クレバス 
 轍が深く掘れたり流水などで深く浸食された部分では、脱輪の可能性があるため、怪しい場所では状態を観察したり、石などで埋めて走行ラインを確保する等の処置をする。
・水たまり
 水があるのでわかりにくいが、入ってみると意外に深い場合があるので要注意。
・流水
 水の下の状況を確認することが鉄則。事前に水深を確かめることが必要。また、天候の急変によって、増水することも考えられる。
・排水溝
 路面を横断する排水溝は、コンクリートで工事された物から砂利を盛り上げた物までいろいろある。コンクリートでできた物の場合は、フタが無い場合がある。また、砂利を盛り上げた物では、速度が速いまま通過しようとすると車が飛び跳ね、フルバンプする可能性がある。
3)規制看板の情報
・通行止め
 どういう状況で通行止めなのかを確認する。(工事・自然災害・イベント・季節・その他)
・規制
 規制事由・規制区間・規制期間・規制車種・曜日・時間帯・迂回路などを確認する。
4)ルート判断
・地図
 地図は必須である。特に走行する林道が通っている地形を頭に入れておく必要がある。
・地形
 地形には、尾根・稜線・谷・川などがあり、走行ルートがどの方向へどういうところを走っているのかを把握しておく必要がある。
・分岐点
 林道には、地図にない分岐点がたくさんある。場合によっては今来たルートを戻る場合もあるので、間違えそうな分岐点では必ずメモを取ったり、チェックしておくこと。
5)路面予測
 林道の路面ではカーブ・坂・バンクといった変曲点が多い。また、道の両側からの草木のはみ出しにより視界が限られているため、その先に何があるかを予測しながら走る必要がある。
6)待避場所
 常に待避できる場所を確認しながら走行することが重要。坂道・つらなっている車の台数・車幅等、その時々の状況に応じて道を譲ることも必要である。

3.運転技量

運転技量などとたいそうなことを書いたが、レースやラリーをするほど高度な運転テクは必要ない。しかし、普通の運転操作が身に付いている必要がある。
1)車両感覚
一番必要なのは車両感覚である。自分のため、一緒に行く参加者のためにも、狭いところも通り抜けられるように感覚を磨く必要がある。
林道では本当に車の幅しかないところを通過することもしばしばあるので、これが身に付いてないと先に進めない。特に左側は自分の車でどこまで寄れるかが鍵となる。ツアーで走っていると1台通り抜けられないと、あとがつかえてしまうことになってしまう。
2)低μ路面
 低μ、つまり滑りやすい路面やぬかるみなどでは、いくらアクセルを踏んでも走らないばかりか、車が蛇行したりする。駆動軸に適度な回転力を与えるという感覚をもつことが必要である。
3)エンジンブレーキ
 これは使って当たり前。フットブレーキだけだとゆっくり坂を下りられない。
4)ブレーキング
 舗装路と違いフルブレーキングすると、逆に滑ってしまい止まれない。たとえABSが付いていてもほとんど役には立たないため、急ブレーキを使うような走行はしてはならない。
5)バック
 林道では車同士の離合や行き止まりになることがあるため、どこか転回できるところまでバックすることが多い。まれではあるが、1km以上もバックすることもある。このため、日頃からバックを練習しておく必要がある。

4.注意事項

林道を走るにあたって以下のことは厳守すべし
1)ゴミ・たばこの吸い殻・その他を捨ててはいけない。
2)林道上では火気厳禁。たき火やたばこなどの火の始末は完璧に行うこと。
3)地元の車両や工事車両を優先し、基本的に道を譲ること。臨機応変に対応を。
4)工事等を行っている時は、通行可能な状況にしてくれるまで静かに待つこと。せかしてはいけない。必要により通してもらえる時間等を確認する。
5)バイクについては十分に注意する。後ろについて来た場合は、早めに先へ行かせた方がよい。
6)歩行者が林道上にいる場合があるので気を付けること。必ずしも立っているとは限らない。
7)むやみに木や草を切ったり、取ったりしてはいけない。
8)通行上、障害になるもの以外は、むやみに移動してはならない。
9)林道内では同じ道路を通行する者として、お互いに助け合わねばならない。

以下の事項は遵守事項
1)見通しの悪い林道走行時は他車に見つけられやすいように、ヘッドライトなどをライトオンする。(車体色が見分けにくい車は特に)
2)トンネル進入時は、ハイビームで内部を確認の上、クラクションを鳴らして進入する。(トンネル内で離合できない狭いトンネルは特に注意する。)
3)見通しの悪いところでは、必ず徐行・必要によりクラクションも鳴らす。

5.上級テクニック

上級者は、こんなことも判断の一部に使っているという例を挙げてみる。
1)最近走行した車種・台数・通過時期・進行方向
     タイヤ痕・水たまり・枝などの折れ・蜘蛛の巣
2)林道の手入れ度・通行量
     わだち・下草刈り・枝や草の張り出し・路面の荒れ
     標識やガードレールやミラーなどの諸設備
3)地盤
     土質・岩質・崖の崩れ方

6.番外

<トレーニング>
車両感覚の練習(一般の車が走るところではしないように!)
1)ラインのある路面で、左のタイヤをライン上に乗せるように移動して、左側のタイヤのトレースラインの感覚を身につける。
2)小さい段ボール箱などを置いて、車体に当たらない範囲でどの程度近寄れるか訓練する。
3)同じく、1.8m間隔(5,7ナンバーの場合)に段ボールを2つおき、その間を通過する。(前進・バック共に)
4)場所が許せば、スラロームのバックなども練習すると良い。

路面予測の練習
これは、細い山道で練習あるのみ。対向車が来たらどこでよけるか、その先を曲がったら道がどのようになっているかを予想しながら走る。

全体方向の把握
最近はナビなどの装備があるので把握しやすいが、くねくね道だと車体の方向がめまぐるしく変わるため、画面を見ていてもあまり役に立たない。ましてや、林道の地図まで網羅しているナビ地図はほとんど無いので、自分でだいたいどの方向へ進んでいるかを感覚的に把握しておく必要がある。山や太陽の方向など自然に観測できる物で判断する。なお、ナビは紙地図と見比べるため、ノースヘディングにしておいたほうがいいかと思われる。(個人の好みではあるが)

2002.6.20 4AL


雪の林道へ行くための心構え

 雪の林道は魅力的である。普段何とも思わないところも雪に白くカバーされることにより、景色が違って見えて新鮮になる。しかし、実態はかなり難しい道だと言うしかない。ましてや、温暖で雪の少ない地域に住んでいる人にとっては年に何回雪道に遭遇しているかという経験的なものもある。そこで、ここ何シーズンか雪遊びをしてきた経験から、ちょっとした心構えのようなものを書いてみることにした。
 ここに書く内容は、ある程度の雪道経験があるが、ラッセルするような深い雪を走行したことがないという人を対象としている。参考になれば幸いである。
なお、この内容は私自身の独断がかなり含まれていることをあらかじめお断りしておく。雪国のプロの方々はそんなことはないよ・・・とお考えの向きもあると思うが、あしからず。

1.状況判断
雪の林道では乾燥路よりも格段にスリッピーなので、そこを行く以上は自然との戦いが必須となる。
天候・路面状況・規制看板の情報などがあり、どれも重要である。
1)天候
・ツアー前1週間から当日までの現地の天候
 現地入り前に低気圧の通過や冬型の気象といった状況があると、林道では積雪・凍結・雪崩・崖崩れ・落石・倒木等の可能性がある。
・天候の急変
 降雪が激しい場合、視界不良や積雪で走行することが困難になることがある。また雪解けの時期などは急な気温上昇で雪崩などが発生しやすいので、注意が必要である。
2)路面状況
・積雪
 雪の上は轍もなくきれいに見えるが、実際の雪の下には何があるかわからない。とくに、雪のない時期に走ったことない道の場合は、路面状況が事前にわからないので、注意を要する。
・凍結
 凍結した路面は非常に怖い。とくに雪の下に覆い隠されたアイスバーンは見えない上に、最初のうちは多少トラクションがかかるので、気がつかないことが多い。そのまま走っていると、急激にスリップしたり、下りでは、ブレーキが利かないこともある。
 また、以前の轍がそのまま氷になってレール状になっている場合もあり、車の挙動には細心の注意をすること。
・落石
 落石は落ちてくるものにも注意は必要だが、雪の下に隠れている石にも必要である。雪のため見えにくいが、意外にも大きな石が落ちている場合があり、車体下をヒットする場合がある。
・路肩崩落
 崩落箇所は通過できるかどうか車を降りて実際に見て、道幅と路面状態を探り通行するかどうかを決定する。雪道では車体が傾くとタイヤがスリップして車自体が横にずれる可能性も考慮しなければならない。
・クレバス 
 轍が深く掘れたり流水などで深く浸食された部分では脱輪の可能性がある。新雪の場合は、クレバスの溝に雪が積もった跡が見て取れるので、状態をよく見極める。
・排水溝・側溝
 路面を横断する排水溝は、雪道の場合、ここだけ雪がないことが多いためかなりの段差となる。徐行しつつも、車の速度を維持することが必要となる。また、側溝は雪に埋まって見えないことが多いが、それだけにタイヤを落とすと面倒なことになる。
3)規制看板の情報
・通行止め
 どういう状況で通行止めなのかを確認する。(工事・自然災害・積雪)
・規制
 規制事由・規制区間・規制期間などを確認する。

2.運転技量

雪道の方が運転技量が必要といえる。
1)車両感覚
 一番必要なのは車両感覚である。浅雪路ならば何ともないが、轍が深くなると共に先行車の轍をトレースするしかない状態になる。そのため、轍をトレースする感覚を磨く必要がある。また、頭上の木々が倒れかかったりしていることも多いため、上下のクリアランスにも注意する必要がある。
2)低μ路面
 雪道や凍結路は低μ路、つまり滑りやすい路面の典型である。アクセルを踏んでスリップをはじめるとあっと言う間にタイヤが空転してしまう。雪の場合は駆動輪がスリップすると雪を掘ってしまう。スリップをはじめたら無理をせずバックしたり、過度なトラクションをタイヤにかけないように細心のアクセルワークが必要である。
3)ギヤの選択
 雪の林道では、場所により雪が吹き溜まりになっていたり急に凍っていたりと、路面変化が激しい上、雪の重さなどが常に変わっていく。常に充分なトラクションをタイヤにかけられるようなギヤをトランスファー・トランスミッション含めて選択する。

4)エンジンブレーキ
 下り坂ではこれは使って当たり前だが、積雪が深く雪の抵抗が大きい場合は逆にアクセルを開けて行かないと停まってしまう場合があるので注意。
5)ブレーキング
 舗装路と違いフルブレーキングすると、逆に滑ってしまい止まれない。たとえABSが付いていてもほとんど役には立たないため、急ブレーキを使うような走行はしてはならない。
6)オーバーヒート
 意外と忘れがちなのがオーバーヒート。SWの場合、ラッセルしてフロントのラジエター前に雪がたまって塞がれると通風が悪くなり、オーバーヒートしやすくなる。ラッセルして停まったらまずはフロントを掘り出すこと。

3.注意事項

雪の林道を走るにあたっての厳守事項は通常期のものと変わらないが、雪道への備えは絶対に必要である。
1)車の装備
   4WDシステム : センターデフロックは最低限必要。リヤ・フロントのデフロックがあればなお良い。
               また、H/L2段切替のトランスファーがあるとなお良い。
   LSD : リアにリミテットスリップデフが入っていると駆動に安定感が出るので、ぜひとも付けて欲しい装備である。
   タイヤ : 林道に行く途中にも雪道はあるので、スタッドレスを履くと安心できる。
   チェーン : 金属チェーンを2組装備する。事前にタイヤフィッテイングと装着・取外しの練習をしておくのは当然。
2)用品等
   牽引ロープ・S字フック・U字シャックル・ウインチ・スナッチブロック
   長靴・ゴム手袋(ロング)・ビニルマット・1.5m程度の棒・スコップ

全てを書くときりがないが、いきなりスノーアタックなどせずに浅い雪道から始めて、経験を積んでいくようにすること。
また、引き返しを判断することも必要となるので、まずは経験者と一緒に走ること。
深い雪への単独行は何かあったときに危険であるため、必ず複数台で行動すること。


2006.1.5 4AL


以上、長々と書きましたが、安全第一を念頭に入れてオフロードを楽しんでくださいね。



林道走行記

林道走行記もたまに追加します。良かったらご覧ください。

東北林道紀行2004
雪中林道紀行2005
雪中林道紀行2006
福島林道秋紀行2007