2010年夏の舞台 「トライフル」 と
映画 「牙狼〜RED REQUIEM〜」に ついて伺いました。




舞台 「トライフル」 に関する質問です。


Q1 貫禄があって、シブい雰囲気のマスター、 何才くらいの設定だったのでしょう?


A
   演出の羽仁さんには
   実年齢より少し若いくらいにしておいてください、と言われました(ように記憶)





Q2 劇中で出されるカフェオレやコーヒーは、実際にカウンター内で作ってらしたんでしょうか?


A2
   いえ、作っている振りです
   あんまり嘘はよくないだろう、
   少しでもそれっぽく見せようと自分なりにいろいろ調べました
   スタッフさんもいろいろ小道具用意してくれました

   出来上がるまでの時間を芝居に合わせるのが、意外と大変でした
   段取り多くて…





Q3 シリアスかと思えば、ギャグ言ったり、兄妹で決めポーズ取ったりしちゃうマスター、
   つかみどころが難しいキャラだったのですが、本当はどんな人なのでしょう?



A3
   確かに掴みどころ難しい人物ですよね(笑)
   本当はどんな人なんでしょう?

   羽仁さんには「恐い人」という部分だけは
   全体とのバランスの上でも持っておくよう演出受けました

   それを重々踏まえた上であのコメディの世界にいかに馴染めるか
   それと(僕が勝手に思ったのかもしれませんが)
   マスターがいかに物語の重しとしての役割を担えるか
   そう見せるためにはどうしたらいいか?

   そんなことばかり考えていたように思います

   ひょっとしたら一人の人間を演じるという点では
   破綻してた部分があったかもしれませんね(笑)






Q4 最高だと思うコーヒー豆が手に入らなくなるなら店を閉めてしまおうとしたマスターでしたが、
   もし紳司さんがマスターだったら、あの状況でどうしたと思われますか?



A4
   断固探しますね(笑)!

   ただ作中の人物はコーヒー豆の奥にいる恩人への気持ちの強さ故、
   そうせざるを得なかったという解釈で演じました




   
Q5 観る回ごとに違ったギャグに笑わされましたが、あれは全回分あったんでしょうか?!


A5
   主演のミツくんとのくだりでしょうか?
   あそこは毎回本番直前の羽仁さんの指示によるものです

   ただでさえ開演直前の暗転の中でオエオエえずいてる笠原です
   毎公演その稽古していないくだりが近付いてくる緊張感は半端なかったですね(笑)
   
   いい経験させてもらいました

   同時にリピーターのお客さんに対する羽仁さんの配慮に感服でした






   
Q6 「アリエッティだ!!!」と、白目で歌う「ダバダ〜♪」が大好きです。
   あれは紳司さんのアドリブだったのですか?


A6
   アリエッティは
Dの回答のとおり羽仁さんの指示です

   ダバダはすいません僕の完全なる思いつきの予告なしのアドリブです

   「やるならやるって言っておいてくださいよ〜(涙)」
   なんて声を共演者からいただきました

   反省しています(笑)






    
Q7 登場人物の中で、一番感情移入できたのは誰でしょうか?


A7
    誰だろう…難しいなあ

    感情移入とは違いますけど、
    ノブくんが演じた雇われ店長の切れるシーンはメッセージ感じるし、
    台本読んで 「いいなあ、ここ演ってみたいなあ」 と思ったところですね

    カタルシスです





  
Q8 日替わりゲストの「ロニー」、それぞれ個性的でとても面白かったです。
   もし紳司さんがロニーになるとしたら、どんな格好で、どんなキャラを演じますか?


A8
    これはまた考えたこともなかった(笑)

    どーしますかね〜
    どのゲストさんもそれぞれ最高に盛り上げてくれましたよね〜

    今だったらチリの落盤救出劇になぞらえますかね(笑)
    「チ、チ、チ!レ、レ、レ!」
   
    出オチですね
    ブラジルじゃないし…





映画 「牙狼〜RED REQUIEM〜」 に関する質問です。


Q1 激しいアクションシーンがたくさんありましたが、どんなふうに撮影されたのでしょう?


A1   
   アクションはそれはもう大変でした(笑)
   ずっと身体中パキパキ言ってました
 
   アクション監督の横山さんはアメリカでも活躍される筋金エキスパートですし、
   とにかく無心で信じてましたし、
   そしてなんとか少しでも横山さんのイメージに近付けるようにと必死でした


   さらに横山監督は要求のレベルも高いですけど、
   ただ要求するだけじゃなく僕に歩み寄ってくれる部分も多分にありました
   (例えば、僕がボクシングが得意だから それを背骨に殺陣を構成してくれたり)
   
   しっかりしたイメージを持ちながら、かつ柔軟に対応してくださる
 
   危険なカットでは演者の僕を含め、現場全体を引き締めてくださる
 
   技術スタッフさんとしてはもちろん人間としても本当に信頼寄せれる方です




   
Q2 撮影中、苦労されたことや印象に残っているエピソードを教えて下さい。


A2
   
やっぱりアクションですね
    特にワイヤーアクションはそれに関わる人間全員が
    息を合わせないと成功しませんから非常に難しいです

    僕は芝居してるとそっちに集中しすぎてしまうようなところがあるので
    横山監督から


    「アクションが絡む時、特に危険なカットでは芝居を捨て、
     アクションのことだけに集中しなさい。ジェット・リーですらそうしてるんだよ」


    と教わりました 勉強になりました
 

    それと今回は3Dだったので、カメラから見て手前と奥の差がバレやすく、
    アクションでの殴りや蹴りを共演者の顔の本当にギリギリを狙わないといけなかったり、
    身体に関しては実際に当てたりと、非常に大変でした


    最終的な立ち位置も正確に決められるカットもあって、
    少しの前後のミスがピントにとてもシビアな問題になったりする場合もあり、
    そういうカットは苦労した思い出があります




   
Q3 クルスを作り上げていく上で、どんなことに気を遣われましたか?


A3   
   一言で言うなら、雨宮監督の色に染まる、ということでしょうか
   衣装合わせや監督とのちょっとした会話はヒントにあふれています

   ゼイラムを観て以来のファンであり、
   あの独特の世界観に魅せられた笠原としては、
   ただひたすらに雨宮さんのワールドに染まりたい、
   ということに気を配っていました
 




   
Q4 ホラー体(魔獣)のクルスにも紳司さんが関わっていらっしゃいましたか?(動きとか)
   (ホラーシオンがとても綺麗だったので、黒い翼のホラークルス紳司さんも
    観たかったなぁ …なんて思っちゃったんです。)



A4
   
いえ、まったくです
    いわゆる“手付け”というプログラマーさんの偉大なるお仕事です
 




   
Q5 作品中、一番好きなシーン、印象に残っているセリフを教えて下さい。(クルスに限らず…)


A5
   
メアリちゃん演じる烈花の

    「アカザ死ぬな!俺はまだお前を許してないぞ!」

    のシーンは胸にストレートに響きました


    烈花の気持ちはもちろん、齋藤さん演じるアカザの思い、
    見守る鋼牙、それぞれの成長物語と落とし前のつけ方
    物語を集約したかのような、好きなセリフ、好きなシーンです
 
    それと個人的に絶対外せないのはやはり、
    最後にガロに加勢にくる英霊の中の津田さん(笑)
    キラキラしてましたね(笑)
    いろんな意味で涙誘います




   
Q6 クルスとして、ここは特にしっかり観てくれ!という場面はどこですか?


A6
   
 やっぱり今回はアクションに尽きます
    もはやアクションクラブのスタントマンさんではないのかというレベルの
    主演の小西くんとの殺陣はまさに壮絶でした
  
    覚えは早いし切れはあるし見せ方も充分に知っている、
    もう必死でついていきました

    
そんな小西くんや横山さんを筆頭にAACの皆さんや
    笠原の吹き替えを担当してくださった和田三四郎さんに助けていただいた
    殺陣のシーンは今までのどのアクション作品より思い入れがあります
 




   
Q7 カルマの魔鏡… 紳司さんが覗いたら、何が見えると思いますか?


★A7
   
むぅ
   そうだな〜
   今身体絞らなければならなく節制中ですので、
   お酒浴びながらケンタッキーにかぶりつく自分が見えそうです

   クリスマスシーズンのCMはより美味しそうに見えます(涙)
 




   
Q8 TV版牙狼「水槽」の戸沼、そして「RED REQUIEM」の来栖、
   共に愛する者のため、悪に手を染めてしまいますが、
   有り得ない…と思われますか?
   それとも共感出来る部分があるでしょうか?



★A8
   
有り得ないとは思いません
 
   超個人主義というか利己的というか、
 
  いわゆるミーイズムの成れの果てですよね
   もしかしたら雨宮監督は現代の日本の社会を風刺してるのかもしれません
 
   現実の問題としては寂しく、がっかりの限りですが、
   あくまでも物語の悪役としてはそのパブリックをかえりみない欲の解放は、
   人間臭いと言えるし、悪の輝きとでも言いますか、
   えげつなければえげつないほど魅力的になる場合もあります


  
 他人に迷惑をかけてもいい理由なんてあるはずないですが、
   その動機や原因が悲しい過去など少しでも同情の余地があると
   裁判の情状酌量じゃないですけど
   感情移入の入口になってキャラクターも膨らみますもんね


   僕は個人的に観客としても演者としても、影のあるキャラクターにひかれます

   例え悪いとわかっていても、そうせざるをえない、
   悪役なら悪に手を染めざるをえない、
   その弱さと悲しみにドラマを見ますし、
   綺麗事だけじゃ世の中語れないというタッチにリアリティーを感じます
 
   雨宮作品の悪役はそういう悪役が多いと思います




   
Q9 「鉄甲機ミカヅキ」「TV版牙狼・17話」に続き、3回目の雨宮監督作品ご出演でしたが、
   もし4回目があったら、どんな役を演じてみたいと思われますか?



A9
    
雨宮さんに言われればどんな役でも喜んで引き受けますけど、
    そうですね〜、思えば今まで全部悪役ですね(笑)

    
Gで答えたのと矛盾してしまいますが、
    「意外と普通のいい人の役も出来るんですよ?」
    な〜んてことは僕の口からは監督にはとても言えません(笑)
 





こんなにも丁寧なお答えを頂いて、感激してしまいました (ToT)
捉えようによっては失礼に感じられるような微妙な質問もあったのに、
全て真摯に受け止めて答えて下さって、とても嬉しく有り難かったです。
年末年始も地方ロケ続きでご多忙だったのに、本当に有難うございました!