「岡本太郎展」絶対の孤独
熊本市現代美術館
2003.7.5 - 8.24

正直に言うと、岡本太郎にはそこまで興味を持っていませんでした。
でも、熊本市現代美術館に行ってみたかったので、
この展覧会がある時を選んで行ってみました。

まずは真っ赤な椅子がお出迎え。
中にも座れる椅子がいくつか置いてあります。
それから有名な太陽の塔のレプリカ。
その回りを取り囲む、いろんな色や形の小さい太陽の塔は
最初彼の作品かと思いました。
岡本太郎さん、ごめんなさい。
それは地元の子供達の作品でした。
でも、どれも本当に良くできていて、
というか彼の作品の子供みたいで
こうやって美術を楽しんで体験できるというのは、羨ましいですね。
この展覧会のパンフレットの中の岡本太郎が
「小中学生は無料なのだ!なぜなら芸術は無償の愛だからだ!」
と言っていました。
「芸術は無償の愛」。名言です。
初期の作品は、知らなければ彼のものだとは分からないほど
後のものとは違っていました。
岡本太郎といえば赤というくらい、
生涯を通じて赤い色へはこだわってるようでした。
私にはその赤は“情熱”というより“血”の色に見えましたが。

会場のどこからか、フランス語が聞こえてくるので
何だろうと探してみると、びっくりすることに
彼がインタビューに答えているビデオでした。
彼は戦前の若い時パリで生活をしていて
フランス語に堪能だったのです。
フランス語は甘く、優しい言葉といった思い込みが
この日ガラガラと崩れていきました。
彼は日本語で話すのと同じ調子で、目をぎょろっとむきながら
熱く、激しく芸術を語っていたのです。
でもそれをずっと聞いていたら、彼には日本語より
こっちの方が向いているんじゃないかと思えてしかたがないくらい
フランス語が似合っているんですねえ。

会場を出たところに作られているキッズスペースに、
カラフルな、グエル公園のカメレオンのようなオブジェが置いてありました。
彼もグエル公園には行ったのかな。




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