「ディック・ブルーナ展」 all about his work
福岡県立美術館
2003.12.24 - 2004.2.8

ディック・ブルーナという名前を知らなくても
「ミッフィー」或いは「うさこちゃん」と言えば
子供から大人まで、殆どの人が知っているでしょう。
でも、この展覧会はキャラクターの紹介ではなく
どんなに彼が素晴らしいデザイナーであるかを伝えるものでした。
最小限の線で描かれた輪郭。
最小限の数に抑えられた色。
その中ではっきりとメッセージを伝えるというのは
本当に難しいことですよね。
最小限の言葉で表現することも。
今までミッフィーやブラックベアを
こんなにまじまじと眺めたことはありませんでした。
キャラクターがくっつき合ったところは
ずいぶん線が省略されてるんだ、
たった2色でも絵が完成されるんだ、
なんて気づいていなかった事がいっぱいでした。今更ですが。
デザインって、簡単なものほどごまかしが効かなくて難しそうです。

若い頃はマティスやレジェが好きだったらしく、
明らかに真似て描きました、という作品があることは意外でした。
ミッキ−やキティーちゃんが、最初とは顔が変わってきているのと同じように、
ミッフィ−のデザインも少しずつ変化しています。
20年間続いたミステリー中心のペーパーバックシリーズ
「ブラックベア」もかなりの数が出ていて、
中でもパイプをくわえている「メグレ警部」のシリーズは
渋いトーンとシックなデザインで
他の作品のイメージと大きく違うところが好きです。
彼はサインボードから、街角のポスター、
企業の広告など幅広く手がけています。
切手はものすごくかわいかったなあ。
子供に宛てたバースデイカードも。
お父さんからこんな素敵なカードをもらえるなんて、なんて幸せな子供達。

会場には小さい子供から、年配の方までいろんな人が来ていました。
年を取っても、こんなに幅広い人に愛されるものを作り続ける
ディック・ブルーナって人は凄いなあ。
それにしても、やっぱりミッフィーは理屈抜きでかわいい!
いつの間にか顔がフニャフニャになるほどかわいい。
でもあの目がちょっとでもずれていたら、違うんだよね。
私は本を読んでるブラックベアが一番のお気に入りでした。


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