スタジオ・アッズーロ《タンブーリ》開かれたインタラクティブ・アート
NTT インターコミュニケーションセンター  ICC
2001.4.20 - 6.10

アートとメディア(テクノロジーか?)は
ここまで境目がなくなってしまったのか、というくらい
作品とか展示とかというより、もう研究発表のようなものでした。
名前がスタジオというように
カメラマン、映画製作、グラフィックなどの世界で
活躍していたイタリアの4人組で、
インタラクティブ(アーティストと観客の相互作用)アートを発表しています。

今回の展示は新旧の2作品。
" 旧 " の方は1995年の作品で、
まず、床の上にプロジェクターで画像が映されています。
それは、絨毯の上に足の踏み場もないくらい
ぎっしりと寝転んだ数十人の男女の映像。
それだけでもあまり気持ちのいいものじゃないのに
絨毯の上を歩いて人を踏むと、
ア〜だの、ウ〜だの言って身をよじるのです!
縮こまったり、転がったりするところがリアルで、
本当に人を踏んでる感覚になります。
何人もの人が絨毯の上を歩くと、あちこちで呻き声が上がって
映像の中の人物がぐにゃぐにゃと動くので
何となく爪先立ってしまいます。
解説には「楽しく愉快な印象」と書いてあったけど
それはちょっと違うような・・・

" 新 " の方は、あまりに新しすぎて
最初はどうすればいいのか戸惑ってしまいました。
部屋の中に置かれた大きなドラム(タンブーリ)と正面の巨大なスクリーン。
案内の方に説明を受けなければ分からないくらい
私のアートの常識を超えたものでした。
簡単に言うとドラムがインターフェイスになっていて、
そこからインターネットに乗った情報が、スクリーンに映し出されるのです。
ドラムをなぞると、その上に映し出された掌がそれに合わせて動きます。
そしてある瞬間に、まるで宝物のようにオブジェが手の中に現れ
それが手に上手に握られると瞬時に外の世界と繋がって
私の宝物はネットの波に乗って遠くに運ばれ、
更に、あるセンターに集められるのです。
世界中からいろんな人の宝物が集まって来るなんて
何て夢があって楽しい作品なんでしょう。
こういうのがインタラクティブ・アートだって納得です。
展示数は少ないのに、充分楽しめた、お得な展覧会でした。


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