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モノラル期のLPを再生するためには当時のイコライザーカーブで再生する必要がありますが、果たしてRIAAと比べてどの程度変わるのかは実際に聞いてみないとわかりません。机上のカーブを眺めていても音は出てこないのです。とは言っても、恥ずかしながら私もたいした数のオリジナルLPを持っているわけではありませんが。 現在、大手のメーカーはイコライザーアンプをほとんど作っていません。あってもそれはマニア向けの高価な機器です。モノラルLP期のイコライザーカーブに対応するアンプもわずかにあるようですが、気軽に試してみようというような金額ではありません。真空管の回路でパーツにもお金がかかっています。購買層が極端に限られているこうした機器の場合、ある程度の価格を設定しないと商売にならないのでしょう。 しかし、高価な機器を所有するという優越感とより良い音を獲得するという満足感を満たさなくてもよいというのであれば、意外に安上がりに自作することはできます。 イコライザーアンプに限らず、大電力を扱わないアンプは非常に簡単な回路でできます。もちろん趣向を凝らした回路を研究されている方も沢山いらっしゃるわけですが、たとえばオペアンプを使った基本的な回路でも十分満足な音で聞けると思います。 |
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現在メインのシステムに使っているイコライザーアンプは応急の改造を加え、RIAAとColumbiaに対応させています。これにNAB、Deccaのffrr、AESあたりを対応させるべく新たに改造しようと考えているのですが、なかなか手を付ける暇がないので、とりあえず手持ちのパーツで賄えるオペアンプのイコライザーを作ってみました。 |
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上の写真は片チャンネル分の基板です。対象となるLPがモノラルですから、2枚作る必要はありません。 TurnoverはNF型でRolloffはCR型とし、それぞれ独立して切り替えられるようにしました。切り替えは最短距離の配線で済むように基板上のDIPスイッチで行います。2つの赤いDIPスイッチのうち左がTurnover、右がRolloffの切り替えです。Turnover側は500HzとAESカーブの400Hzを、Lowlimitは3種の抵抗を切り替えますが、いずれも固定のコンデンサ或いは抵抗に並列のコンデンサ、抵抗を切り替え、所定のカーブを得るようにしてあります。これは、NF回路が切り替えのために一時的でもオープンになるのを避けるためです。右のDIPスイッチはRolloffのコンデンサを切り替えるものです。コンデンサは全てポリプロピレンフィルムタイプですが、手持ちや入手の関係で種類がバラバラになってしまいました。 左下のトグルスイッチは入力インピーダンスの切り替えのためのもの。 写真ではわかりにくいのですが、右下の右から2つ目の抵抗はゲイン切り替え用です。片足だけはんだ付けし、もう片方の足はピン端子に挿してあります。挿した状態で約60dBのゲイン(MC用)、はずすと40dB(MM用)のゲインです。 オペアンプは手持ちのJRC5532Dを使っていますが、8pinの同タイプの物ならどれでも使えると思います。オペアンプの種類によって結構音が変わるそうですから、定評のある物に変えてみるのも面白いですね。 |
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簡単に特性を測ってみました。ゲインは40dBポジション(MM対応)で入力インピーダンス47kΩ。3mVのSIN波で測定。出力は50kΩ負荷。 周波数はオシレーターのダイヤル頼み、出力はDMMにて測定。誤差はあると思いますが、RIAAの結果から見るとそこそこ精度が出ているようです。AESカーブの最低域は本来RIAAよりゲインが高いのですが、このアンプではRIAAと共用しているので若干低めになっています。AESは低域の制限がないカーブなのですが、これは最低域まで再現するという意図ではなく、当時そこまで再生できなかったために制限する必要がなかったからです。ですから、無理をして最低域を伸ばす努力をしてもあまり意味のないことだろうと思います(現在でも本当に20Hz、30Hzを再生できるスピーカーはわずかしかないわけですから)。
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2005.8 |