Ravel:ピアノ協奏曲ト長調 J.ホーレンシュタイン/コロンヌo. V.ペルルミュテール(pf) 55 Paris (Vox) Mono ![]() |
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Vox CDX2 5507 Accord 201052
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![]() ペルルミュテールは1904年生まれですから、このCDのクレジットが正しいとすると50歳頃の演奏ということになります。データによると1951年にパリ音楽院の教授となっていますから、このポストについてからまもなくの頃の録音ということになります。 このCDには2曲の協奏曲の他にピアノ・ソロの曲も収められています。ステレオ時代になってからほぼ全集に近い曲数をNimbusレーベルに録音していますが、残響過多の録音で、ペルルミュテールのピアノも淡白すぎる演奏だったような印象があります。それに比べると、ここでのピアノは適度に温度感もあり、レンジの狭いMono録音に目をつぶれば結構楽しめます。びっくりするような解釈はありませんが、大変オーソドックスな演奏と言えます。 ![]() 一方、ホーレンシュタインのほうは、ドイツ系の音楽やTchaikovskyに見られるような力で押していく方向ではありませんが、かなり明確に楽器を鳴らしていて、この曲の演奏としては随分力強い演奏です。第1楽章の冒頭は、相当テンポが速くて、一部で縦の線があわなくなりそうなところがあります。ピアノが加わらないところでは概ね飛ばし気味で、緩急の差が大きい。第2楽章はピアノが主役なので、ペルルミュテールのテンポにあわせて伴奏していますが、終楽章は再びホーレンシュタイン主導のテンポに戻ります。この両端楽章では、ペルルミュテールのピアノもホーレンシュタインのテンポにあおられている感じです。結果的に、良い意味での緊張感ある演奏になっていて、ピアニスト側にしてみればどうかわかりませんが、ホーレンシュタインに関して言えば、良くも悪しくもこの人らしい演奏といえるでしょう。 |
Ravel:左手のためのピアノ協奏曲ニ長調 J.ホーレンシュタイン/コロンヌo. V.ペルルミュテール(pf) 55 Paris (Vox) Mono |
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Vox CDX2 5507 Accord 201052
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![]() ![]() コロンヌo.というのは、ラムルーo.と同じく特にステレオ期以前にはかなりの録音がありました。ラムルーo.の方は最近佐渡裕の指揮で再び脚光を浴びていますが、この2つのオーケストラはRavelの作品には深い関わりがあります。Pathéへの作曲者自身が指揮した「ボレロ」はラムルーo.を指揮したものでしたし、Piernéの指揮した「亡き王女のためのパヴァーヌ」はコロンヌo.でした。この録音でのコロンヌo.の音は、特に管楽器の音にフランスの香りが残っていて、Ravelの生きていた時代を思い起こさせます。 |